呉・尾道に行って橋を見てきた~1日目「呉の橋」


2016年のGWは西へ!広島県の呉・尾道へ行ってきました。二泊三日のゴージャス旅です。新しく買ったカメラ、ソニーWX500で沢山の橋を撮ってきました。このエントリでは初日の様子をお伝えしたいと思います。初日は呉市内の離島を渡す橋を見てきました。

エントリーからの大失敗

今回の旅行は1月から計画を立て始め、ホテル・帰りの飛行機・レンタサイクル・レンタカーと次々予約を抑えていき、非常に順調にリソースを調達していきました。しかし、もともと寝台特急「サンライズエクスプレス」での現地入り(正確には岡山から新幹線)を予定してましたが、切符争奪戦に敗北。まさか2分で売り切れるとは。発売日は平日朝10時やぞ!

仕方なく当日(29日)の始発の新幹線で現地入りすることになりました。この切符も取ろうと思った時には既に売り切れていたのですが、そこは我らがエクスプレス予約、乗車日の数日前から画面を開いてガチャガチャしてればそのうちキャンセルが出ますので、それを押さえりゃ勝利です。結果的に、29日の品川始発のぞみ99号のE席の切符を抑えることができました。

しかししかし、私の副業(※本業はアイドルプロデューサー)が大変めんどくさいことになってきてしまっており、旅行前の数週間は深夜残業が常態化、旅行前日も22時ごろまで仕事で残っている始末。家についたのは0時近くで、翌朝6時11分に新横浜を出る新幹線に乗らねばなりません。旅行の準備などもあり、睡眠時間は3時間半。勘弁してくれ。

まあ、寝台の切符が取れていたら、仕事のせいで乗れなかったかもしれませんが(無理やり帰ってたと思うけど)、それはそれ。この疲労が3日めの大失敗に繋がるのでした。その件はまた後ほど。

kure10101疲れてはいましたが、新幹線の中でもそこそこ眠って現地入りしました。広島からは呉線で呉駅まで移動です。自分は知らなかったんですが、呉線にも227系レッドウィングが導入されてるんですね。初めて乗ったというか、初めて見ました。カッコいい!

寝台特急から新幹線に変わったことで到着時刻が当初より遅くなってしまったこともあり、橋以外の呉市内の観光はバッサリカットになりました。海上自衛隊呉史料館?大和ミュージアム?なにそれ美味しいの?呉駅に着いた俺は15分も経たないうちにレンタカーを借りて、颯爽と島々へと飛び出すのでした。

呉西部の島々に架かるカッコいい橋たち

呉には多くの島があり、その多くが長大橋で結ばれています。今回の旅行はバタバタでしたが、なんとか見たい橋全てを回り切ることができました。それでは、その呉市内にあるイカれた橋のメンバーたちを紹介するぜ!

音戸大橋・第二音戸大橋

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まずは音戸大橋と第二音戸大橋。本土と倉橋島の間の「音戸の瀬戸」に架かる橋です。ちなみに「瀬戸」というのは「島と島の間の狭い海」つまり海峡のことですね。ちなみに「瀬戸」がたくさんあるから瀬戸内海。

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ここは一番狭いところで幅90m程度の狭い海峡なのですが、大型の船舶が日に何百と通る海上交通の要所で、要するに橋桁を高くとる必要があります。音戸大橋はこの高さを稼ぐために両岸にループを設けてます。去年行った大阪の千本松大橋を思い出しますね。クラシカルでベーシックなランガー橋ですが、この時期に来ると東岸の緑の草原やツツジの花が赤い橋桁とよく似合います。かなり多くの方が車を止めて写真を撮っていました。

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その音戸大橋は2車線しかない上に、両岸のループや交差点のために長年渋滞になやまされていました。そこで架橋50年を経た2013年に新しく架けられたのが第二音戸大橋です。国内で4番目のスパンをほこる大型のアーチ橋で、音戸大橋と比べるといかにも現代的でシャープなデザインですね。支承のない直接アーチで橋桁が薄いあたり最近の橋って感じがします。下から煽ると大迫力です。

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その近くに第三音戸大橋と銘打たれた歩道橋があります。これは第二音戸大橋のビューポイントで、アーチ橋に見えますが実はアーチはただの飾りです。お茶目というかジョークというかそういう類のものですが、本当に3本目の橋を造ることになったらどういう名前にするんだろねw

早瀬大橋

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倉橋島から能美島へ渡る「早瀬大橋」です。江田島市へ渡る唯一の陸路ですが、人が渡るだけなら広島や呉から船のほうが便利かも。ロングスパンのトラスはなぜか西日本にやたら多い気がします。「東京ゲートブリッジ」はトラス橋ではありますが、アレはまたちょっと世代が違いますよねえ。

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一般的にトラスを含む梁構造で剛性を上げるためには「構造体の高さを大きくする」ことですが、それと桁下高の確保を両立するために橋脚部近くをアーチ状にしてるわけですね。非常に理にかなった構造だと思います。とはいえ、中央部だけを見るとただのプラットトラスで、このスパン大丈夫なのかな~って気持ちにもなっちゃったり。むしろそれがいい。

鹿島大橋

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一気に南下して、倉橋島(の南部の鹿老渡)から鹿島へ渡る橋です。スパン170m、桁下23mもあるかなりの長大橋ですが、車線のない非常にシンプルな橋です。ぱっと見かなり立派な橋なのに、よく見ると割と質素で線の細い子だということが分かりますね。生活に根付いていて温かい気持ちになります。ここは来るのがなかなか大変なところなので、今回来ることができて本当によかったです。

お昼ごはん

kure10501音戸大橋の近くにある「グリル音戸大橋」でカキフライランチを食べました。観光地価格と微妙なボリュームではあったものの、とても美味しいカキフライで満足満足。

カキは苦手なんだけど、それでもおいしく食べられたよ

苦手なのにどうしてカキフライ頼んだんですか?

安芸灘諸島に架かるかわいい橋たち

お昼ごはんまでは呉市の西部の橋を回りましたが、昼食後は呉市の南東部の安芸灘諸島を巡りました。これら7橋を総称して安芸灘諸島連絡架橋と呼びます。

安芸灘大橋

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安芸灘諸島への出入口、安芸灘大橋です。2000年に開通した、スパン750m、橋長1175mのかなり大型の吊橋です。国内で9番目に長い吊橋ですがたった2車線しかなく、しかも県道での橋という意味では日本一となります。側径間が相対的に短い上に、橋の両端で長さが違うといういろんな意味で変わった吊橋です。写真は主に安芸灘公園というところから撮っていますが、料金所わきの事務所に車を止めて階段をのぼったところになります。なにげにベストビューイングスポットですよ。

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この橋の何がムカつくって、普通車で片道720円もとられる有料道路だってことです。安芸灘諸島は陸路ではどこにも繋がっていないので、帰りにもこの橋を通ることが多く、何も知らないと1440円もとられちゃいます。しかし、現金で安芸灘諸島に入った場合に限り、諸島内のお店で1000円以上使うことで帰りの通行券(回数券)を貰えるサービスがあります。なので、島内で美味しいものを食べたりお土産を買ったりすると良いでしょう。ほとんどのお店は17時に閉まるので、営業時間に注意です。

蒲刈大橋

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安芸灘諸島2番めの橋は上蒲刈島と下蒲刈島を結ぶトラス橋「蒲刈大橋」です。先ほどの「早瀬大橋」によく似ていますが、こちらは同種の橋の中で広島県内で最長のものになります。この辺りにはこの形の橋がかなり多いです。下蒲刈島には石畳の景観保存地区があり、おみやげ屋や観光スポットがあるので、橋以外にも楽しめると思います。僕は時間がなくて全スルーしてしまいましたが。

豊島大橋

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安芸灘諸島3番めの橋は2008年にできた吊橋「豊島大橋」です。日本で21世紀になってできた唯一の吊橋です。近年は斜張橋の技術が向上していて、大規模なアンカレイジが必要な吊橋はほとんど作られなくなってきています。この橋の場合は橋の両岸に山が迫っていることと海峡の幅的に斜張橋だとバランスが取りづらかったのかな?と予想。主塔や橋桁内に腐食防止のための換気システムを用いるなど、最先端の技術が使われているハイテク橋でもあります。

豊浜大橋

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4番めの橋はまたまたトラス橋の「豊浜大橋」。名前ややこしい。蒲刈大橋とよく似た橋だけあり、蒲刈大橋建設で培われた技術で建てられたそうです。大規模なトラス橋も近年ではほとんど建てられなくなってきました。エクストラドーズド橋にお株を奪われているのかな。張力で保持するほうが効率いいもんねえ。

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豊浜大橋といえば、架橋記念公園の日本最大のジャングルジムですね。階段で登れるのでそちらを選びましたが、いやはや何でこんなものを……。ジャングルジムはともかくとして、丘の上からの橋の眺めは素晴らしいものがあります。

平羅橋

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5番めの橋はぐっと小さくなって、片持ち斜張橋の「平羅橋」です。へいらばし。ここの海峡は狭く、大型の船も通らないので、桁下の航路限界も5mそこそこ程度しかありません。安芸灘諸島連絡架橋の中では明らかに異質な橋ですね。小さい橋は角度によってぜんぜん違う表情を見せるので、写真を撮っていて楽しいです。

中の瀬戸大橋

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6番目は標準的なニールセンローゼ橋の「中の瀬戸大橋」。桁下高21.5mを確保しています。立派な橋ですが、現状繋がっている先の岡村島へのアクセス路とだけ考えると、ちょっとハイコストな気もします。これは、この安芸灘諸島連絡架橋が更に伸びて、大三島に繋がる可能性があるからでしょうか。そうなるとしまなみ海道に分岐ができて、本四連絡橋が3.5ルートになりますね。

岡村大橋

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最後の橋は、やはり標準的なニールセンローゼ橋の「岡村大橋」。中の瀬戸大橋とよく似ています。実際、主桁部分はほとんど同じだとか。同じものが使えるなら同じもの使ったほうが安上がりですからね。

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この橋の面白いのは、広島県と愛媛県の境界となっていること。ご丁寧にも橋の中央に県境が手書きで書かれています。こういうの見ると反復横跳びしたくなります。「本州!」「四国!」「本州!」「四国!」ならない?

まとめ

というわけで、ざっと11橋(12?)見てきました。いやー、これだけ長大橋をたくさん見れると大満足ですね。特にロングスパンのトラス橋は東日本ではほとんど見ることができませんから、この機会に4本も大きいのを見れてとても良かったです。

この日のレンタカー走行距離は166キロ。橋を見るのとご飯を食べる以外の行動なし。自分で言うのも何ですが、アホだなあw。

というわけで、1日目はここまで。2日目のしまなみ海道編に続きます。

2日目はこちら


コメント(1件)

  • 南風 | 池ノ内 孝のブログ [2016年06月17日(金) 8:38]

    […] photo by :HN天蛾 -san 天さんは今日もブルー photo from:呉・尾道に行って橋を見てきた~1日目「呉の橋」 […]

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