呉・尾道に行って橋を見てきた~2日目「しまなみ海道」
2016年5月15日(日) 旅行
というわけで2日目です。2日目は自転車を借りて、しまなみ海道を北から南まで、つまり本州から四国まで走破してきました。その距離実に75キロ。主目的はいつも通り「橋」ですが、天気にも恵まれて楽しい一日となりました。
自転車と行程
行政主導の「しまなみレンタサイクル」で自転車を借り、割と一般的なルートを走ってきました。因島は島の西側から中央を走るコースを、生口島は高根大橋も見たかったので西岸コースを走っています(ルートはこちら(リンク先の日付間違ってます))。
自転車はスタンダードなクロスバイクを借りることができました。190近い身長の自分には少し窮屈でしたが、登坂性能が高くスピードも出る良い子でした。これで1日2000円(乗り捨ての場合)ですからありがたいものです。もっと良い自転車を借りたい場合はGIANTに行くといいと思います。
予約は予めしていったのですが(しかも3ヶ月前に)、あのシステムならぶっちゃけ予約はいらない気がしますね。むしろ、予約しても時間前に行って並ぶのが重要だと思います。自転車の在庫は多いですが、当たり外れはかなりあると思うので、スピーディーかつ吟味して選びましょう。
いざ、しまなみ海道へ!
さて、尾道の安ホテルに泊まった天さん、朝の7時に自転車を借りてからホテルで朝ごはんを食べて、早速出発です。
まずは渡船で向島へ
いきなり橋ではなく船です。向島へ渡るための尾道大橋は路肩がせまく、自転車で渡るのは危険だとされています(通行不可というわけではないみたい)。そのため、駅前にある向島運航を利用して向島に渡りました。ヒト100円、自転車10円。安い!
向島は西岸沿いのコースで走ります。ほとんど起伏もなく、非常に走りやすい道ですね。しまなみ海道は全線がサイクリングロードとして整備されており、各所に方角の案内板や目的地までのキロ数が書かれています。サイクルロードも多く、ほとんど迷いませんでした。
向島の西部には岩子島に渡るための向島大橋があります。赤く塗られた自動車用のランガー橋と歩道用のトラス橋で構成されています。
因島大橋で因島へ
向島から見えてきたのは因島大橋。トラスで作られた補剛桁からレインボーブリッジを想起しますが、こちらのほうがかなり大型の橋になります。自転車用の入り口は橋を通りすぎて500mほど行ったところにあり、迷いやすいので注意。
因島大橋は上下二層になっており、上層を高速道路が、下層を歩行者・自転車・原付が走る構造です。そんなわけで下層を走ったのですが、眺めはイマイチなものの、橋好きとしてはなかなか楽しい道でした。
因島上陸後、因島大橋公園で最初の休憩をとりましたが、そんな名前の公園のくせに因島大橋見えないでやんの……と思ったら、そことは微妙に違うところで休憩してたみたいです。
因島では西岸を走るつもりでしたが、案内に従っているうちに島の中央部へ。少し坂があり大変なところもあったものの、橋を渡った直後に休憩をとったこともあり、比較的スイスイ進めました。眺めが良くない道のほうが効率良く走れる気がしますw。
生口橋で生口島へ
続いて見えてきたのは生口橋。2016年現在でスパン国内4位の大型の斜張橋です。1991年に建てられ、国内の架橋技術をぐいっと押し上げた記念碑的な橋でもあります。完成当時は世界最長スパンの斜張橋だったんですよ。この規模の橋を自転車や歩行者が渡れるところなんて、しまなみ海道以外にはほとんど無いと思います。橋上を走ってる時、圧倒的なケーブルの迫力にウオオオオと声をあげてしまいました。最高です。
生口橋を渡って生口島へ。生口島には高根島への橋「高根橋」があるので、西岸を通っていきました。高根橋はルートを外れることもあってちょっと迷ってしまいました。みかん色に塗られた固定式アーチの中路式ローゼ橋で、スパンは175mにもなります。脇役にしとくにはもったいない橋ですね。
生口島は少し距離があるので、途中休憩をとるのがいいと思います。僕は生口橋を渡る直前のエントリースロープ途中で1回、さらに高根橋の見える港湾部でもう1回プチ休憩をとりました。だいたい10キロに1回は休憩とるペース。休み過ぎ?いえいえ、普段ろくに運動してないんだからそれくらいでいいんですよ、ホント。
多々羅大橋で大三島へ
さあいよいよ多々羅大橋へ。日本最長のスパンをもつ斜張橋です。この橋はかなり長く世界記録を保持していましたが、近年中国やロシアで大規模な架橋が相次ぎ、現在は5位となっています。
とはいえ、さすが日本一、長い!生口橋より100m近く高い主塔で890mものスパンを保持しており、橋の長さは実に1.5kmにも及びます。自転車を漕いでも漕いでもなかなか渡りきれません。こんなに楽しい橋があるでしょうか。
多々羅大橋を渡るとすぐに、道の駅でもありサイクルステーションでもある「多々羅しまなみ公園」があります。ここは尾道と今治のちょうど中間ということもあり、多くの人が休憩をとっていました。橋の眺めも最高ですしね。僕は次の伯方島でゆっくり休むことを決めていたので、ここでは息を整えて水分補給をする程度に留めています。
大三島は大きな島ですがコースとしてはかなり短いものとなります。ただし、次の大三島橋へ上がるためのスロープがやや長く、かなり疲れました。本当は大三島橋の写真を下から撮ろうと思ってたんですが、とてもじゃないけどそんな元気が出ないくらい。何気に難関のひとつです。
大三島橋で伯方島へ
しまなみ海道、ひいては3ルートある本四連絡橋で唯一のアーチ橋が大三島橋です。また、本四連絡橋の海峡横断橋として最初に造られた橋でもあります。他の橋に吊橋や斜張橋が多い中、アーチ橋である当橋はスパンとしては短めとなりますが、それでもアーチ橋としてのスパンはなんと日本第3位!前日に見た第二音戸大橋より大きいものとなります。いちいちスケールがでかいのが本四連絡橋です。
大三島橋を渡った先は、伯方の塩でおなじみの伯方島です。多少のアップダウンがありますが行程としては非常に短く、あっという間に通り抜けることができます。ここには道の駅「マリンオアシスはかた」がありますので、ここでお昼ごはんを兼ねたこの日で最長の休憩をとりました。建物内のレストランはめちゃめちゃ混んでたので外のテント販売の塩ラーメンをズルズルっとすすり、その後海岸で30分くらい寝ていました。本当、天気に恵まれて良かったです。
伯方・大島大橋で最難関の大島へ
伯方島を出発すると、すぐに「伯方・大島大橋」にたどり着きます。この橋は鋼製桁橋の「伯方橋」と吊橋の「大島大橋」の複合橋となっています。ぶっちゃけ、しまなみ海道の中ではもっとも特徴に乏しい橋かもしれません。一応、レインボーブリッジと同等のスパンを持つ大規模な橋なんですけどね……。他の橋が日本○位とかそんなんばっかりすぎるんです。
しかし、そんな地味な橋を渡った先の大島は、しまなみ海道を走破する上でもっともキツい島だと言われています。理由は簡単で、まず単純に走行距離が長く、しかも高低差が80m近くあるため坂が多いんです。
そんな情報を掴んでいたため自分もかなり警戒していたのですが、結果的にはかなりうまく立ちまわれたと思います。まず島の北部の海岸線沿いは一息ですっ飛ばし、島の中部の坂道が始まるところで「みやくぼしまのダイニング」さんでアイスコーヒーで一服。ここでしっかり息を整えてから一息で坂を登り切ります。この休憩のおかげですんなりと坂を登ることができました。坂を登った後はかなり長い下り坂ですのでそれ自体が休憩となり、島の後半の小さな上り坂も問題なく走破。うむ、作戦通り。
大島を抜けたところに、道の駅「よしうみいきいき館」があります。ここでしまなみ海道内の最後の休憩をとって、さあ最後の橋です。
来島海峡大橋でいよいよ四国へ!
さあ、最後の橋は「来島海峡大橋」。世界初の三連続吊橋だというだけでも凄いのに、3つの吊橋のうち「第二大橋」「第三大橋」のスパンはそれぞれ日本4位・3位にランクされる超巨大吊橋です。ぱっと見の迫力も抜群ですが、実際上を走ってみると本当に長くて(4,105m!)、ちょっとした非日常感を味わうことができます。マリオカートのそういうコースみたいな感じ。この橋は大島の「亀老山展望公園」からよく見えるので、次回は是非立ち寄りたいですね。地上300mにもなる公園なので縦断中の自転車じゃ無理無理。
そしていよいよ今治のサイクリングターミナルサンライズ糸山へ。四国に到着です。やったぜ!達成感!
という喜びもほどほどに、今治駅まで6キロの道をキコキコ進むのでした。
まとめ
というわけで、75キロ、なんとか走破しました。いや、当日はあまり苦戦することもなく、予定通り、計画通りに走ることができたと思います。レンタルした自転車が当たりを引いたのが大きかったかもしれませんね。とても楽しかったし、いい経験になりました。まあ、なかなかもう一回やろうとはなりませんけどもw。
自転車は今治駅に乗り捨てて、帰りはバスでもと来た道をピューと戻りました。文明の利器の力を感じます。車窓も楽しみにしてたんですが、さすがに寝ちゃいました。仕方ない。