2017ゴールデンウィーク②:石川の橋を見てから帰京する


2017年のゴールデンウイーク後半は急遽家族旅行が決まり、実家の家族と福井県の越前海岸に行ってきました。が、子連れなので大した観光もできず海鮮を食べるばかりの旅行に。しかし、そこは天さん勝手な行動をとって一人で離脱し、敦賀から北陸本線・北陸新幹線に乗って帰京しました。なんてやつだ!その途中、金沢で一泊し、見たかった石川県内の橋を見てこれたので、このエントリで紹介します。人生(たぶん)初石川県!これであと行ったことないのは(たぶん)熊本県だけ!来年には(たぶん)行くぞ!

山中温泉のこおろぎ橋とあやとり橋

5月6日、この日は朝から一日中あいにくの雨でした。お昼過ぎに敦賀から特急しらさぎに乗った天さんが加賀温泉駅に着いたのは午後3時すぎ。この日の目的地は、石川県加賀市の山中温泉です。温泉には入ってないけどね。

バスに揺られて30分強、一つ目の目的地「こおろぎ橋」に到着です。江戸時代に架けられたという総檜造りの木橋で、現在の橋は1990年に架け替えられたものになります。頬杖橋という形式になりますが、橋のアプローチとしては山梨県の猿橋のような「刎橋」に近いのかななどと思ったり。木橋でありながら自動車も通れるのはこの頬杖部分のおかげですね(3t制限)。橋上のイメージはいかにも小洒落た和風の木橋って感じですが、横から見たシルエットは割と無骨で山奥感が強く、そんなギャップも魅力です。天気が悪かったのがいい方に作用し、なかなかいい写真が撮れました。ちと暗いもんでブレまくったりもしましたが。

そしてそこから徒歩で10分程度のところにあるのが「あやとり橋」。景勝地の鶴仙渓を楽しむために架けられた、日本では割と珍しいコンセプティブ人道橋です。いや珍しくはないか?でもこういうのヨーロッパに多いイメージあるよね。それはともかく、これはかなりの変態橋です(誉め言葉)。今まで逆三角形断面のトラス橋の珍しい橋だと思ってたんですが、全然そんなレベルじゃありませんでした。両岸の橋台に強力に固定した、S字カーブを描くガッチガチな剛性の橋!構造上なんの得もないやつですが、そこはコンセプト重視の人道橋です。結構ガチの温泉街である山中温泉にこんなアバンギャルドな橋を造ってしまうのも凄いけど、ここまで振り切ってるなら絶対面白いもんね。渡って下から見上げて写真撮って、大変楽しい橋でした。めっちゃオススメです。

上記の2橋が架かっている鶴仙渓はハイキングコースのような散歩道が整備されてました。天気が悪く霧がかかった日だったのですが、写真を見てお分かりの通り非常に良い雰囲気でした。天気が良ければいいってもんでもないですね。また来たいです。次来るときは紅葉の季節がいいな。

その後サンダーバードの自由席で金沢に移動、晩ごはんは金沢のレンタサイクル「まちのり」に乗って「チャンピオンカレー」行ってきました。見た目は同じような金沢カレーでも、ゴーゴーカレーとは全然味が違うんですね。こちらはソースの存在感がより強く、違う個性が感じられました。美味しかったです。

金沢市内浅野川に架かる橋を超高速お橋見

東横インに泊まって翌5月7日、朝のお橋見です。市内に流れる浅野川に架かる橋のうち6橋を「まちのり」で回ってきました。非常に便利な「まちのり」ですが、利用開始時間は7時半なのに対し朝8時にレンタカーを予約していたので、なんとたったの30分の行程です。ようやるわ。

まずは「常盤橋」から。橋としては実は普通の鋼橋なのですが、見ての通り意匠が和風の木橋のようになっており、欄干には擬宝珠まで付けられています。金沢市内の浅野川の橋はこのように、、外見だけそれっぽくした橋が多く架かっています。観光都市って感じですよね。

続いて「天神橋」。昭和30年に架けられた、かなり古いアーチ橋です。こういった古くて小さめの下路アーチ橋は首都圏などにも見られますが、メンテ費用が高く数はあまり多くありません。気にしないとなかなかピンと来ないけど、実は守るべき貴重な橋です。

お次は「梅の橋」。見るからに歴史的で風情のある木橋……と思わせて、実はコイツも鋼橋です。そういう風に見せているだけ。有名な京都の渡月橋なんかもそうなんですが、しかし御存知の通り視覚的な効果は絶大です。あれがただの道路橋だったらぶち壊しですもんね。橋が町のランドマークであることを示す好例です。

この中では一番有名な「浅野川大橋」。大正11年にかけられた3連の上路充腹アーチです。金沢のイメージ写真に使われることもありますね(最近は金沢駅ばっかりですが)。こうして見てみると、後から意匠を古臭くしたものは和風で、ガチな歴史的建造物は洋風なの、面白いですね。「新しい」「古い」の価値観が相対しています。これも歴史的観光都市ならではの発見です。

その次、「中の橋」。梅の橋とほとんど同じような橋です。大橋と小橋の間にあるから中の橋。橋の横についている木材パーツ「桁隠し」が雰囲気をつくっています。江戸時代にはここに「一文橋」と呼ばれる、その名の通り通行料が一文だった橋が架かっていたそうですよ。

最後は「小橋」です。いわゆるポニートラスですね。普通のトラスと違って視界が妨げられません。でも、その割に力強く見えるのがいいですね。もう少し下流に「昌永橋」というポニトラもあるのですが、残念ながら時間切れ。

と、30分でこれだけ見ました。正確には兼六園下からこれだけの橋を見て金沢駅に自転車を返すまでに30分。もうちょっとゆっくり回りたいですねw(自業自得)

能登半島の海に架かる橋

レンタカーを借りて金沢を発った後は、能登半島方面の橋を見てきました。走行距離は約200キロ。ようやるわ。

最初に立ち寄ったのは金沢のすぐ北側の内灘町にある「内灘大橋」。たもとに道の駅があり、橋を存分に眺めることができます(朝に立ち寄ったのでお店はまだやってませんでしたが)。「サンセットブリッジ」という愛称がついてまして、本当は夕方に来たかったんですけどね。なかなかね。橋はスパン172mの比較的小さな斜張橋です。現代に作られてたらエクストラドーズド橋になってたかもしれないですね。この橋は放水路に架かってる割に桁下高がやたら大きいんですが、その目的が航路でないのが面白いところです。すぐ近くに通ってる橋がずっと低いことからもわかります。この内灘町という町は地図で見ると埋立地みたいなカタチですが全体が海抜40mほどの高台になっており、実はこの橋は放水路の東西を渡す峡谷ショートカット型の橋なんですね。ロケーション的に全然そんな風に見えないのが面白いです。

次に向かったのは景勝地「巌門」。ここには「幸せのがんもん橋」という、自碇式吊床版トラス橋とよばれる形式の橋が架かっています。行きに寄ってきたあゆみ橋や、数年前に行った潮騒橋、去年行った青春橋のような下弦で支えるタイプの橋ですね。青春橋と同様に自碇力をもっているため、橋が両岸を引っ張っていないのが特徴であるのに加え、建設時には吊り橋のように吊った状態で建造されるので足場(支保工)が不要です。このように深い谷を渡す場面には最適な形式です。そしてなんといっても、周辺の完璧なロケーション!この日は晴れ男な自分の真骨頂で、素晴らしい景色を見ることができました。それ自身も周りも含めて最上級ランクの橋です。橋に興味があるならぜひ行ってほしいスポットです。

続いて車を走らせて能登島へ。能登島と本州をつなぐ二つの橋の一つ「中能登農道橋」、通称「ツインブリッジのと」です。PC斜張橋としてはかなり大型のものです。この橋も内灘大橋と同じく橋のたもとにビューポイント兼休憩所があるんですが、こちらは展望台まで付いていてとってもゴージャスです。更に橋の下から海をいれて写真を撮ることもできます。撮った写真を見ていただくと分かると思うのですが、この橋やたら写真が撮りやすいです。各フォトスポットまでのアクセスも良好、アングルは盛りだくさん、二つの主塔もまるでEXILEのようにいい具合に画角に入ってくれます。こんなフォトジェニックな橋そうそうありません(上の内灘大橋と比べてみてくださいw)。こうなると、準備の良い展望台や妙に細かい寸法まで乗せている説明板なども含め、なんとなくナルシスティックな印象を受けますねw

途中、のとじま水族館でジンベイザメやイルカなどを見て、道の駅でお昼ごはんを食べたりなどしつつ。一人旅での行動力には定評があります。

最後に、能登島のもう一つの橋「能登島大橋」を渡って帰ってきました。この橋もたもとに公園があり、橋が見やすくなっています。石川県は橋フリークに優しい!航路を確保するために凹凸を設けた離島連絡橋タイプの桁橋ですね。高低差はそれほどではないですが、いわゆるベタ踏み坂系とも言えるでしょう。やや望遠気味で圧縮効果を加えた写真を撮るといい感じになります。独特なシルエットが青空によく映えますね。能登は青空がよく似合います。

まとめ

というわけで、石川県をばばばっと見て回ってきました。レンタカー9時間借りて走行距離は約200キロ。水族館にまで行ったとは思えないような忙しさです。その後、北陸新幹線で金沢~東京まで自由席を乗り通して帰ってきました。「はくたか」だとあんまり速くないんですよねえ。「きらめき」に自由席ついてないのが不便っちゃ不便です。仕方ないんだろうけども。

ともあれ、急遽決まった旅行にしてはかなり欲張りに、充実した観光ができました。つっても橋ばっかなんですけどねw 2017年のGWは大成功と言っていいでしょう。お疲れ様でした~。

「けんろくえん」?とかは興味ないんですか?

なくはないんだけどねえ。そこ行く時間を考えると、やっぱ能登半島の方行きたくなっちゃうよな~

うっうー!イルカさんはかわいかったです!

(どっちかというとがんもん橋の方がかわいいし、そもそもイルカよりやよいの方がかわいい)かわいい


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