丸山ダム前の「のぞみ橋」を公共交通機関で見てきた


年も明けて遅ればせながら、シンデレラガールズ6thライブ全通しました!最高のライブでしたね!Starry-Go-Roundが毎回泣いてしまうくらい好きです。特にセンターステージ目の前で見れたメラド2日目が最高に良かったかな。みりあね、お姉ちゃんになったよ(成仏)

さて、ナゴヤドーム公演で故郷の愛知に行ったわけですが(実家に帰ったとは言ってない)、その帰りに岐阜県の丸山ダム前にある「のぞみ橋」を見に行ってきました。ずっと行きたいと思ってたんだけども、公共交通機関で行くにはなかなか厳しい場所で、いつかレンタカーで行くのかな?行けるのかな~?などと思ってました。しかし今回、綿密な計画を立てて列車とバス(と徒歩)で無事見に行くことができたので、レポートを残したいと思います。後述しますが、のぞみ橋は近いうちになくなってしまう可能性が高いので、行く人は急ぎましょう。

なお、このエントリは2018年12月現在での情報で書かれていますのでご注意ください。

丸山ダムへの行き方~狙いは平日~

のぞみ橋は木曽川の「丸山ダム」の前に架かっているわけですが、このダムがある岐阜県八百津町には鉄道が通っていません。八百津駅は2001年に廃止されてしまいました。公共交通機関で行くには近隣の駅からバスを利用する必要があります。先に結論を書きますが、行くなら平日のほうが良いです


八百津への行き方は3通りありますが、名古屋や岐阜方面からアクセスする場合の手段は2通りに限られるでしょう。ひとつは名鉄広見線の明智駅からYAOバス(八百津町運行)に乗る方法、もうひとつはJR美濃太田駅から東鉄バスに乗る方法です。もうひとつ、高山本線の中川辺駅からコミュニティバス802に乗る方法(平日のみ)もありますが、これは高山本線の北側から来る人以外には関係なさそうです。また、八百津町とJR可児駅を結ぶバス(これも平日のみ)もあるにはあるのですが、八百津に日帰り観光に行くにはダイヤの関係で使うことができません(八百津町からの通勤通学に適した時間のみの運行)。

どちらの方法を使っても大して手間は変わりませんが、そもそも各バスの本数が少ないので予め時刻表を調べておくことが何よりも重要になります。八百津町のバス情報のページに情報が集約されていますのでそちらから最新情報を確認してください。そこそこ本数があるYAOバスは名鉄広見線と発着時が接続しているものの、JR太多線と広見線はまったく接続してないので注意が必要です。名鉄犬山線・小牧線経由が苦にならない人は、そちらから回るのもアリですね。

僕は、行きは名古屋方面から太多線で美濃太田駅へ行き東鉄バスで八百津FC(ファミリーセンター)に向かい、帰りは八百津FCからYAOバスで明智駅→新可児駅/可児駅→多治見駅というルートを選びました。朝ホテルを出る時間に無理がなく、帰りに特急しなの・スーパーあずさであまり遅くならずに帰京できるスケジュールです。

さて、これで八百津町(八百津FCバス停)まで行くことはできます。しかし、八百津FCから丸山ダムまでは道なりで3.5キロほどの距離があります。この間を結ぶコミュニティバス802というものが運行されているのですが本数が少ない上に、平日限定です。平日に行くべきだというのはこれが理由になります。

八百津町のバス情報のページからコミュニティバス802の時刻表も見られますが、見ての通り本数が少ないです。「八百津FC」から丸山ダムの最寄り「小和沢口」へ行こうと思うと、おそらく3本ほどしか候補に上がらないのではないでしょうか。全行程は、このバスの時間で決定されます。


僕はどうしたかというと、このバスのダイヤに縛られた行動だと制限が厳しいと判断し、行きはダムまで3.5キロ歩くことにしました。ナイスガッツ。途中「八百津大橋」「蘇水峡橋」や、二股に分岐した変わったトンネルを見ることもできてお得です。帰りはコミュニティバス802で帰れるように調整しました。自分で言うのもなんだけど、完璧な立ち回り。さすが俺。

これが土日祝日となるとコミュニティバス802が使えず、往復で7キロ歩かなければならなくなり、アップダウンがあることもあって結構大変です。このへんに気をつけて予定を組むのがよいでしょう。あるいは自家用車なりレンタカーなりの車で行きましょう(結局それかよ)。

のぞみ橋は期間限定

さてさて、それでは本題ののぞみ橋です。のぞみ橋は目の前ある丸山ダムに強く関係する橋で、なかなか面白いバックストーリーがあります。

まずは、のぞみ橋のすぐ隣に架かっている吊橋「小和沢橋」からです。この橋は1952年に架けられた自動車橋で、丸山ダムを建造するために架けられました。道床は木でできており、なかなか風情のある吊橋です。現在はクルマが通れなくなっていますが、この橋を工事車両が走っていたと思うとなかなか感慨深いですね。スリルがあります。

その丸山ダムですが、水害によって容量の不足が指摘されるようになりました。1983年の「美濃加茂水害」がそうです。この水害、当時自分が住んでいた場所にも影響があったのでよく覚えてます(お前いくつだよ)。堤防が決壊しそうだっつってんのになぜか堤防の上に避難したもんで、普段より遥かに水量の多い木曽川を真夜中にナマで見ました。怖いのなんの。

そこで、丸山ダムにかぶせる形で、新しいダムが作られることになります。その名も「新丸山ダム」。このダムはこれから作られるものになりますが、要はこの新しいダムを作るのに、小和沢橋では現代の工事車両には小さすぎるわけです。小和沢橋は幅員2m、6トンまでしか渡れませんからねえ。

そこでそこで、新丸山ダムの工事のために小和沢橋のすぐ隣に架けられたのが、この「のぞみ橋」というわけです。なんでも、工事が早く終わるように、新幹線の「のぞみ」をイメージしてつけられた名前だとか。2つ並んだ橋ですが、どちらもダムの工事のために作られた橋なんですね。面白い存在です。

この橋は「端部分離型上路式PC吊床版橋」という長い型式名がついてますが、静岡の潮騒橋などと同じ、要は「下から支える吊橋」ですね。僕の大好物です。この橋は自碇式(両岸に引張力がはたらかない)というわけではないようですが、メインケーブルとなる吊床版を岸から直接張るのではなく上床版と一体化することで、橋台への水平力を低減させた「端部分離型」の橋というのがポイントです(参考資料)。アーチ橋で言うところのローゼ橋的なアプローチなんですかね?こんな珍しい橋が、すぐとなりに架かった別の橋から間近に観察できるというのも大変貴重です。

こういった上路式の吊床版橋で自動車橋というのは、一般的な吊橋と異なり主塔が不要で安価に建設可能ではあるものの、重心が高く安定しないためにほとんど採用例がありません。この橋の翌年に完成することになる徳島県の自碇式吊床版橋「青雲橋」への過渡期とも言える、大変な技術力で架けられた橋なのです。すごい!

しかし、この橋のすごいところはそれだけではありません。この橋はダムの工事のために架けられたわけですが、新ダムはいずれ完成し、この橋は必要なくなってしまいます。そのため、なんとこの橋は撤去することまで考えて設計・建設されています。テンポラリブリッジ!先に述べた構造の優秀さとともに、こういった短期的な運用を見越した経済性・リサイクル性の高さも高く評価され、この橋は2004年に土木学会田中賞を受賞しました。

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つまり、この橋は早く見ないとなくなってしまうわけです!今回見に行けてよかった。とはいえ新ダムはまだその姿の片鱗も見せておらず、橋がなくなるのはだいぶ先のことだとは思います(工事が進捗すると一般人が渡れなくなる懸念はありますが……)。また、リサイクル性を考慮しているとのことですので、おそらく別の場所に移設されることになるのでしょう。しかし予定は未定とも言いますし、見学を考えている方は早めに行動したほうが良いでしょうね。

さて、僕は橋マンであってダムマンではなはいのですが、ダムの写真もちょこちょこ貼っておきます。ダムをバックに入れてのぞみ橋を撮る場合は、最近架かったばかりの「丸山大橋」からがバッチリですね。近隣の食堂ではダムカレーを出している店もいくつかあります。僕は八百津町ファミリーセンターのカフェ「ナンテン」のダムカレーを食べました。ダムの湖面が緑色なのでグリーンカレーというなかなかストレートな表現のカレーは、適度にスパイシーかつ具だくさんで美味しかったです。放流はいまいちうまくいかなかったけどねw

2018年もあんまりブログの更新なかったですねー

旅行はいっぱい行ったんだけどね。なんかごめん


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