映画「楽園追放」感想


あれ?伊織ちゃん?伊織ちゃんなの?

やよい、よく見るんだ。あの胸と尻を。アレは伊織じゃない

新宿のバルト9で「楽園追放」見てきました。ジブリ以外のオリジナル劇場版アニメを見るなんて、数年前の自分では考えられませんでしたね。って、前年の「サカサマのパテマ」も見てるんだけども。

バーチャルと終末感が融合した世界観

虚淵作品で一番すごいなと思ってるのが、ロジカルでややこしい世界観を物語の早い段階でアッサリと説明しきってしまうところ。まどマギは終盤までわざと明かしませんでしたが、サイコパスやガルガンティア、アルドノア・ゼロなど、いずれも1話・2話で大体の世界観がつかめてしまいます。

今回の映画も例に漏れず、冒頭のアンジェラの「仕事」とディンゴとの邂逅のシーンだけでほぼ世界観の説明は終わり。あとはストーリーの端々で不足部分を補うムダのない進行で、大変勉強になりました。実体を持たない電脳世界の住人が仮の肉体を纏って地上に降りる設定とか、伝えるだけで一苦労ですよ。ディンゴが電脳世界の住人を当たり前に捉えてることが、この作品の理解しやすさの一助になってるような気がしますね。反面、ちょっとディーヴァの連中は頭固すぎるだろとも思ったけど、これもいつもの虚淵ワールドかな。固定観念からの脱却ってテーマ多いよね。

実際のところ、肉体を持たない電脳空間の住人ってどうなんでしょうねえ。アンジェラはあらゆる快楽を経験してるみたいなこと言ってましたけど、俺みたいに意志の弱い人間は廃人になっちゃいそう。パーソナリティの獲得のためのメモリの争奪戦はちょっとありえないかな。現実だとそのデメリットだけで「楽園」ではないですよねえ。

ディストピア感満載の電脳世界で人類は「滅亡」の運命を退けた、ようにも見えますが、自分はかなり終末感を感じました。やっぱ肉体がないのは嫌だよー。肉体のないティーン女子に何の意味があるのかと!(とアイマスプロデューサーが申しております)

アンジェラ・バルザックあれこれ

アンジェラは、うーん、ちょっと前半の無能っぷりが可愛そうでしたかね。その分、後半での決断の早さとアグレッシブさはカタルシスあって良かったと思います。終盤出てくるアンジェラの「同僚」もおしなべてポンコツで、やっぱ電脳世界の住人はアレなんでしょうか。メモリ足りてないのかもしれないですね。

アンジェラといえば不満があります。冒頭乳首で期待させといて、その後全然脱がねえじゃないですか!風呂入れよ!埃っぽいんだろ!?風呂入れよ!(2回言った)

肉体をいそいで生成したために、タイニィなボディなのをディンゴに突っ込まれてましたが、その割にそれでもちょっと発育しすぎだと思います。もう少しこうジャパニメーション的な意味で控えめなボディにしても良かったんじゃないでしょうか。まあ、好みの問題といえばそれまでですが。

くぎゅは(人柄含めて)大好きな声優さんですが、第一線で活躍し続けるその技量はさすがですねえ。可愛くてカッコいい声で惚れ惚れします。

最後にちょっとだけストーリー

ストーリーのネタバレは控えますが、フロンティア・セッターが出てきてからの展開は非常に俺好みです。「アンジェラの決めた意志」もアレで正解だと思うし。アンジェラにとっては大事件でしたが、映画全体を見てみると、実はそれほど大きな事件が起きていないというか、むしろ問題は「解決」ではなく「解消」してるんですよねw。大きな世界観の中での小さなお話。畳まなくていい風呂敷は寝転がるには最適なのです。

総合的に、かなり楽しめた映画でした。面白かった。


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