やよい誕生日のついでに関西の橋とかを見てきた


3月25日といえば?そう、高槻やよいちゃんの誕生日です。今年のやよ誕は土曜日だったので、思い切って聖地の「やよい軒高槻店」へ行ってきました。と3食いただいてきて、心もハートも存分にリフレッシュできました(なお身体は限界の模様)。

さて、せっかく関西に行くのにやよい軒だけというのもアレなので、ついでに関西の見たかった橋や施設を見て回ってきました。風邪気味で夜行バスアプローチだったのにもかかわらず、1日で20キロくらい歩いて死にそうです。

とにかくトンネルが怖い!JR福知山線廃線跡

kansai2017_01兵庫県西宮市の「JR福知山線廃線跡」は知る人ぞ知るハイキングコースの名所だったそうです。1987年に福知山線が現在の路線に変更(複線化、電化、高速化)した際に廃線となった一部区間について、非公認だけど立ち入りを特に禁止しないという黙認状態が随分と長く続いていました。利用者の自己責任で勝手に使っていたのですが、2008年にはハイカーの転落死亡事故が起きるなど問題があり、整備か封鎖かの議論を経て、めでたく整備が行われ2016年11月より正式にオープンとなりました

kansai2017_02

kansai2017_03整備されたとはいっても、出入り口に簡易トイレが付いて一部の橋などが新しくなって柵がつき、トンネルが補強された程度で、廃線跡の趣が強く残る持ち味は健在です。「ここでの落石事故は責任を負いかねます」看板が何十本と立っているのが微笑ましいですね。ここには素敵な鉄橋が残っているということで、ぜひ一度行ってみたいなと思っていたのですが、ちょうど次に紹介する武庫川橋の近くということで、足を伸ばしてきた次第です。JR福知山線の生瀬駅から武田尾駅まで、歩くと8キロくらいかな?2時間くらいはかかります。生瀬駅の周辺はわかりにくいので、武田尾から入って折り返して武田尾まで戻ってもいいかもしれません。

kansai2017_04先に鉄橋の話をしてしまいます。歴史感のあるワーレントラス橋です。垂直材や追加の斜材が入っているのがいかにも時代って感じです(トラス橋の詳しい分類についてはあまり明るくないので……。ちゃんと勉強しないとな)。ボロッボロですが、むしろそれがいいですね。整備前は線路のあった部分は立ち入り禁止で、整備用の側道が歩けるようになっていましたが、現在は逆に中央に通路が整備されています。なので安心して渡れますが、ちょっぴり残念でもあったりして。

kansai2017_05kansai2017_06kansai2017_07

kansai2017_08それよりも、トンネルですよ!自分はあまり下調べをせずに現地に向かったのですが、照明がないといっても別になんとかなるんだろ~?とか思ってたのに、全然そんなんじゃありませんでした。S字カーブを伴う300~400mクラスのトンネルで一切照明がなかったりするんです。前を見ても後ろを見ても、一切なんの光もない状態!どっちに進んでいいのかすら分からないので、スマホのライトを付けてなんとか乗り切りましたが、もう怖いのなんのって。

kansai2017_09朝の8時とかに行く自分が悪いのかもしれませんが、9時半ごろになるまで誰にも会うこともなく、何も見えないトンネル内で足元50cmくらいしか見えないスマホの明かりを頼りに、何も見えない空間に向かって歩き続けるわけですよ。ときどき天井から水滴が落ちてきてピチョンなんつったりして。お化け屋敷かよ!途中、本当に気が狂いそうになりました。トンネル工事してる人とかほんと頭が下がります。

そんなわけで、すっかりトンネルにトラウマを覚える来訪となりました。これから行かれる方は、必ず懐中電灯を持っていきましょう。本当の恐怖を知りたい方は、スマホ1台持って行ってみるのもいいかもしれません(ただし何かあっても当方は責任を負いかねます)。

最新鋭の橋は頼りなく見える?武庫川橋

kansai2017_10続いて、最新のエクストラドーズド橋の「武庫川橋」です。新名神の建設で造られた橋で、まだ供用開始されていません。JR福知山線の道場駅から徒歩で2キロというところですが、まだまだ工事が続いており付近はダンプカーがいっぱいいるので注意が必要です。交通安全もそうだけど、砂煙もすごいからマスクがあると良さげ。

エクストラドーズド橋はこのブログでも何度か取り上げています。プレストレストコンクリートの鉄筋部分を橋上までぐいっと持ち上げるような構造にすることで効率よく強度を稼ぐ(偏心)=橋全体を軽量化することで、コストを低減させるタイプの橋です。1994年に小田原ブルーウェイブリッジが完成して以来、少しずつ普及していったエクストラドーズド橋ですが、ここ数年で爆発的に増えたような気がしています。そんなエクストラドーズド橋も進化が進み、様々な特色をもった橋が生まれました。今回の武庫川橋は一体なにが新しいのでしょうか。

kansai2017_11エクストラドーズド橋といえば「小さな主塔の斜張橋」のような表現がなされることが多いのですが、新しい余部橋梁以降は主塔がますます目立たなくなった橋が多くなってきました。例によって武庫川橋も主塔は非常に小さく、角度によっては全く見えなかったりするほどです。もともと主塔を大きくする必要がなくコスト的に有利という橋なのでこの方向は頷けます。

kansai2017_12しかし、この橋の最大の特徴はそこではありません。橋桁の側部がよく見ると隙間だらけです。これはバタフライウェブと呼ばれる蝶形のパネルで、メーカーのサイトによるとこの形だとせん断力が圧縮力と引張力に分解され、ダブルワーレントラスの原理で応力に抵抗できるそうで、要するに「強度の割に非常に軽くできる」とのことです。また、施工性が高くプレキャスト(現地ではなく工場での生産)にも向いているのも重要な特徴です。サイトによるとコンクリート製のウェブと鋼鉄製のものがあるそうですが、それぞれ圧縮力と引張力の補剛が異なるのが理解しやすく面白いところです。ある意味複合素材トラスと言ってもいいのかもしれません。

kansai2017_13で、エクストラドーズドとバタフライウェブという二大軽量化技術を採用したこの橋ですが、ひと目で分かる特徴があります。それがこの「橋脚の細さ」です。うわー細い!怖い!不安!強度というよりバランス的に大丈夫なのかと心配になってしまいます。これでも片道二車線の高速道路ですよ!渡ってる車には全然わかんないだろうけどw

最近は吊橋や斜張橋にしても、スマートなスタイルで簡素化された橋が多くなってきました。先の福知山線廃線跡のトラス橋と比べると一目瞭然ですが、今後は更に橋のスリム化が進んでいくのかもしれません。力強い橋も好きですが、まだ見ぬスマートな形の新しい橋に出会えそうな予感にワクワクします。

頼りがいがありそうに見える?保津峡橋

kansai2017_15お昼ごはんをはさんで、今度は京都から山陰本線で保津峡駅まで行ってきました。有名な嵯峨嵐山駅のひと駅となりですが、嵐山に比べると遥かに山の中の「渓谷」といった感じの場所になります。ここでのお目当ては、フィーレンディール橋の「保津峡橋」。1990年に造られた、山中の赤くてゴツい橋です。

フィーレンディール橋ってのは橋桁の柱と桁材を剛結(ラーメン構造)したタイプの橋で、トラス(三角形を基本とした構造)ではないのですが、トラス橋の仲間として語られることの多い橋です(フィーレンディールトラスなんて言ったりもします)。ラーメン構造を有することからラーメン橋として分類されることも多いのですが、支承があって下部工と明確に分離されている構造は確かにトラス橋(というか桁橋)に近いものでもあります。橋の分類は色んな要素がごったになってる感があり、正直よくわかりませんw

いずれにせよ、このフィーレンディール橋は日本では非常に珍しい存在です。大正~昭和の初め頃にいくつか作られたものの、必ずしも力学的に最適な形とは言い難く、新しい橋にはほとんど採用されませんでした。ところが90年代以降、全国にいくつか新しい橋が生まれはじめます。どちらかというと意匠重視で、周囲の景観に合わせてデザインされた橋が多いです。特にデザインに遊び幅のある人道橋に採用されるケースが多いですかね。

そんな中、この保津峡橋では、なぜフィーレンディールが採用されたのか正直よく分かりませんw こんな山の中だし、普通にトラス橋でいいんじゃないのかな感があるんですが、そんな空気も読まずに往復車線の道路橋として生まれた保津峡橋は、他に例がないほど非常にパワフルでゴツいフィーレンディール橋です。比較的アクセスしやすい激レア橋ですので、嵐山で渡月橋を見たついでにでも是非どうぞ。

kansai2017_16kansai2017_17kansai2017_18kansai2017_19

kansai2017_21そして、その保津峡橋を超えた先から見ることのできる、保津峡駅の景色がまた素晴らしいです。駅のホーム自体がアーチ橋の上にあるんですね。なお、この先にも怪談話のあるトンネルとか橋とかあるらしいんですが、体力が限界だったのでパスパス。トンネル怖いしね!

kansai2017_22kansai2017_23

まとめ

kansai2017_24とまあ、こんなところを回りつつ、高槻に3回立ち寄ってやよい軒に行きつつなんてことをしていました。このあと京都ヘ行って祇園や三条~五条大橋を見たりしてましたが、なにしろ人が多すぎで、そちらは取り上げないことにします。めっちゃめちゃ疲れましたが、けっこう楽しかったです。やっぱ旅行は手加減しちゃ駄目だな。

というわけでお誕生日おめでとう

ありがとうございまーっす!私どんどん増えますね ↓

kansai2017_28kansai2017_29


コメント投稿フォーム